MuseScore4.1で点字楽譜機能をサポート

 MuseScoreという楽譜作成ソフトは以前からNVDAなどのスクリーンリーダーに対応しています。

そのMuseScore の最新版4.1でライブ点字楽譜機能をサポートしたということが書かれていたので試してみました。

Accessibility breakthrough – Compose in Braille with MuseScore 4

 オルトキーを押して、右矢印キーで編集に移動、
下矢印キーで環境設定でエンター。
シフト+タブキーで一般まで移動。
下矢印キーで点字という項目があります。
ここでタブキーを押すと、点字パネルを表示というチェックボックスがありますのでスペースキーでチェックを付けて、タブキーでOKまで移動してエンターキーを押します。

 すると画面の下に点字表示が行われます。
スクリーンリーダー利用者の場合、デフォルトの楽譜編集エリアからタブキーを1回押すと点字パネルに移動できます。
点字パネルでは、現在フォーカスのある1小説部分の楽譜がユニコード点字で表示されます。特に特別なフォントなどがインストールされていなくても画面表示されるはずです。
NVDAで点字ディスプレイ表示できるようになっている場合、それを点字で読むことができます。

 さらに、時期バージョン4.2では、パソコンのキーボード f d s j k l の6点キーを用いて点字で楽譜を入力できる機能をサポートするということが書かれています。

 こういった一般の楽譜作成ソフトが点字楽譜をサポートするというのは興味深いですね。

 MuseScoreは無料でダウンロードできますので、興味のある方は是非試してみてください。

ダウンロード | MuseScore

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iOSで点字テーブルを追加して切り替える方法

iOS17から新しく追加された日本語NBSCテーブルを利用する手順を記します。
他の点字テーブルも同じように追加できます。

 まず、ローターに点字テーブルを設定します。

設定 -> アクセシビリティ->VoiceOver -> ローター-> ローター項目を開き、点字表を選択状態にします。

 次に、日本語NBSCテーブルを追加します。

設定 -> アクセシビリティ->VoiceOver -> 点字 ->点字表を開きます。

現在追加されている点字表が表示されていますので、「点字表を追加」を実行します。

いろんな言語がありますので「日本語」を実行します。

ここに「NBSC 見出し」とありますので、ここにある「日本語」を実行して追加します。

 以上で準備完了です。

ローターで「点字表」を選択し、上下スワイプで「日本語NBSC」に切り替えてください。

記号類が点字表示できるようになったり、入力もアットマークなどの記号類の入力ができるようになります。

 ちなみに、この日本語NBSCテーブルは、某日本で開発された点訳エンジンが採用されているようです。

iOS機器と点字ディスプレイを接続する手順

iOS機器と点字ディスプレイを接続する手順を記します。

まず、対応している点字ディスプレイですが、国内のものでは、KGS社のBMスマート16及び40(ただし40は少し不具合があります)、及びBMスマートエアー16と3です。
以前はBMポケットも接続できたので可能かもしれませんが、最近確認しておりません。

日本テレソフトの清華シリーズは、製品カタログにiPhoneと接続できることが明記されていますので接続可能です。

海外製の点字ディスプレイの多くはiOSとの接続に対応しております。
例えば、エクストラが輸入販売しているブレイルセンスシリーズ、Focus Blue、アメディアが輸入販売しているオービット20など対応しております。

私の手元には、ブレイルセンスとBMスマート16及び40しかありませんのでとりあえずこれでご説明しますが、基本的な手順はどれも同じだと思います。

まず、点字ディスプレイの電源を入れ、スクリーンリーダーからの操作を受け付ける状態にしておきます。
ブレイルセンスシリーズであれば、ユーティリティメニューのスクリーンリーダーターミナルを起動し、bluetoothからの接続を受け付ける状態にします。
次に、iOS機器側を操作します。
設定 ->> アクセシビリティ ->> VoiceOver ->> 点字の順に進みます。
点字関連のさまざまな設定が表示されていますが、画面下の方の「点字ディスプレイを選択」と言うところに、現在近くにある機種がbluetoothの検索機能によって表示されているはずですので、それをダブルタップします。
機種によってはここでPINコードの入力を求めてくる場合がありますので、必要に応じて入力して「ペアリング」ボタンをダブルタップします。

以上で接続完了です。
うまく行くとVoiceOverが読み上げている内容が点字ディスプレに表示されます。

対応した機種をお持ちの方はぜひお試しいただければ幸いです。

iOS17で日本語点字機能が大幅に改善

 本日iOS17がリリースされました。
iOS17にはさまざまな新機能が搭載されましたが、我々日本の点字ユーザーにとってとてもうれしい情報があります。

 iOSには点字ディスプレイと接続して、画面に表示された内容を点字に表示したり、点字ディスプレイ上のキーボードからiPhoneに文字を入力する機能が備わっています。
しかしながら、これまでのiOSの日本語点字表示は日本語の点字の書き方の規則に従っていないため、その点字は非常に読みにくいものでした。
また、入力においては、点字ディスプレイ上からの点字入力動作が不安定で、漢字変換が行えなかったり、日本語文中に英数字を入力することができなかったり、また目的の位置に文字を入力することが困難など、多くの課題を抱えていました。
そのため、これまで日本のiPhoneユーザーで点字を使うユーザーはほとんどいなかったのではないかと思います。
しかし、そのことが、特に視覚と聴覚両方に障害がある盲ろう者が点字ディスプレイを用いてiOS機器を利用することは事実上不可能な状況におかれていました。

 この状況を何とか改善できないものかと考え、我々は融資を集い、2019年に「iOSの日本語点字問題を改善する全国集会」を結成し、日本語点字問題を検証し、それに基づき要望書の作成、さらにはそれを英文に翻訳を行い、アップル社に提出する活動を始めました。
 さらに、要望書を提出するだけでは、盲ろう者の置かれている困難な状況を理解していただけないと考え、2020年7月31日、及び2021年11月17日の2回にわたり、米アップル本社、及び日本支社に対してオンラインによる懇談を行い、日本語点字の入出力を改善していただけるよう申し入れを行いました。

 しかし、2021年にiOS15、2022年にiOS16がリリースされましたが、残念ながら実用的に利用できるレベルまでの改善は見られませんでした。
やはり、日本のVoiceOverユーザーで、しかも点字という、ごく少数の意見など聞いてもらえないのだ…
ほとんどあきらめモードになっていました。

 ところが、本日リリースされたiOS17では、日本語点字入出力が大幅に改善されていました。
 また、日本語点字テーブルに、新たに「日本語NBSCテーブル」という新しい点字テーブルが追加されています。
この点字テーブルを使用すると、Windows のスクリーンリーダーのような正確な点字が表示されます。
私は、この点字出力を用いて、Kindle書籍の読書など試してみましたが、とても快適に点字による読書を楽しむことができました。
また、入力においても、点字ディスプレイ上のキーボードを用いて漢字かな交じり文の日本語の入力、また日本文中に英数字の入力を行ったりできるようになっています。

 まだまだ改善していただかなければならない部分はありますが、アップル社が日本語点字入出力の改善に向けて取り組んでくれていることは、日本の点字ユーザーにとって朗報といえます。
今回の日本語点字機能は、iOS機器のみならず、iPadOS、MacOS、それからこれから登場するといわれているApple Vision Pro など、ほとんどのアップル製品に組み込まれるものと思われます。
このような機器が盲ろう者が利用できれば、外部との連絡、情報の入手、学習、就労など、多くの可能性がもたらされるものと期待されます。

 iOS対応の点字ディスプレイをお持ちの方は、是非1度お試しいただければ幸いです。
そして、お気づきの点などありましたら是非ご意見をお寄せください。
1人でも多くの方の意見が寄せられれば、それだけよいものになっていくと思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

マッピング10回目

またまたご無沙汰してしまいました。

4月25日に10回目のマッピングに行ってきました。

聞こえ方は安定しておいて大きな変化はありません。

ただ、1月8日にうっかり人工内耳のプロセッサーをトイレの便器の中に落としてしまうという大ハプニングがありました!
すぐに拾い上げて、タオルでふき取って、バッテリーを外して電源を切って乾燥機に入れました。
翌日の朝恐る恐るバッテリーを装着して付けてみると、一応問題なく動作しましたのでほっとしました。
ただ、その前から少し音が変だったのと、どうもバッテリーを装着したときに電源が入ったり入らなかったりするので修理に出しました。
結局、プロセッサーとバッテリーアダプタが故障していたということで交換になりました。

さて、マッピングですが、今回は言葉の聞き取り検査を行いました。

1. 「起きる」、「座る」といったような簡単な単語を聞き取る検査
2. 「あか」、「あさ」、あま」、「あが」、「あざ」、「あだ」といったような2語の単語がランダムに流れるのでそれを聞き取る検査
3. 「お客様がいらっしゃいました」。「朝起きて顔を洗い歯を磨く」といったような文章を聞き取る検査
などを行いました。
文章を聞き取る検査は、100点だったようです。
その一方で、2文字の単語を聞き取る検査は70点でした。
文章なら一部聞き取れなくても前後の文からおおよその言葉を推測できるのですが、2文字の単語はランダムに流れるので推測では答えられず、ハードルが高かったです。
言葉の聞き取り検査においては、静かな環境で割とはっきりした音声でしたので文章は100点ですが、日常においては周囲が騒がしかったり、またはっきり発音しない人などもいるので、実際の会話においては聞き取り精度は落ちると思いますが、よく聞き取れているという評価をいただきました。

聞き取りが安定しているので、何もなければ次のマッピングは1年後ということになりました。

ということで、マッピングのたびに書いているこのブログのネタもそろそろなくなってきました。
また別のネタを探して書いていきたいと思います。

今年の物欲!

今年も残り少なくなりましたね。

今年もこのページをあまり更新できませんでした。

それにしてもコロナはいつになったら収束するんでしょうね。
もう3年ですよ。
いい加減消えてほしいものですね。
それともこれからずっとWith コロナなのかなぁ。

今年は、ロシアとウクライナの戦争、安倍総理の銃撃事件、半導体不足、物の値上げなど、世の中的には暗いニュースが多かったですね。

今年はいろんなものを、しかもかなり高額なものを購入しました。

まず5月。
「ブレイルセンスシックスミニ日本語版」という点字情報端末を購入しました。
これはAndroidで動作する点字情報端末で、Androidアプリがインストールできます。

ブレイルセンスシックスミニ日本語版の製品ページ

それから、8月には「エンビジョングラス」というものを購入しました。
これはメガネのような形をしたもので、顔にかけて使用します。前にはカメラがついていて、カメラに映った文字を読み上げてくれたり、物体を認識して何があるか音声で教えてくれるという機械です。

エンビジョングラスの製品ページ

あとは、「テープキング」という音声メジャーを購入しました。

音声メジャー テープキング

こういう音声だけで使える機器が使えるのも人工内耳があってこそのことですね。

他にもいろいろ購入したんですけど、これらが最も高額な買い物でしたね。

来年はよい年になるといいですね。
では、皆さんよいお年をお迎えください。

カテゴリー: ICT

手術から3年と人工内耳の聞こえ方

人工内耳を手術を受けてから3年が経ちました。
聞こえは安定してきた感じです。

聞こえ方は相変わらずテープを遅くしたような感じで原音より低く聞こえるのと、ディストーションエフェクタをかけたような感じで少し音が歪んで聞こえます。
これが人工内耳の聞こえ方なんだと割り切っています。

ところで、先日、人工内耳によって聴力が正常に回復する神経機構が解明されたことを報告する論文が、Natureに掲載されたというニュースが流れていました。

神経科学:人工内耳によって聴力が改善する仕組み

神経科学:人工内耳によって聴力が改善する仕組み
Nature
2022年12月22日

ラットを用いた研究で、幅広く用いられている医療機器である人工内耳によって聴力が正常に回復する神経機構が解明されたことを報告する論文が、今週、Natureに掲載される。今回の研究は、人工内耳の性能の向上に役立つ道筋を明らかにした。
人工内耳は、高度難聴者の聴力を回復させることができるが、人工内耳の装着者の反応には大きな個人差があり、人工内耳が作動してから数時間以内に発話を聞き取れる者もいれば、何カ月使用しても聴力がほとんど回復しない者もいる。今回、Robert Froemkeたちは、その原因を解明するため、16匹の難聴ラットに人工内耳を装着し、聴力回復に関連する脳活動のパターンを研究した。ラットの人工内耳に対する反応は、ヒトの場合と同様に個体差があり、今回の研究では、青斑核(学習に関連する脳幹領域)の活動から人工内耳に対する良好な反応を予測できることが明らかになった。青斑核を人工的に活性化させると、観察された個体差は消失し、この方法で青斑核を刺激された全てのラットは、人工内耳を装着してわずか数日後に音に対する反応を示した。
青斑核のニューロンは、神経調節物質であるノルアドレナリンを生成して放出し、それが多様な神経回路網の構造と機能に影響を与える。この脳の「再配線」は、学習の重要な特徴の1つだ。人工内耳がうまくいかない原因としては、青斑核が十分に働かず、脳がそれ自体を再配線する能力が低下したという可能性がある。従って、Froemkeたちは、この標的領域(青斑核)が働くように助ける戦略が、神経機能代替装置の働きを最適状態にするために役立つかもしれないという考えを示している。

数時間で発話を聞き取れるようになる人もいるんですね。
私の場合は10日から2週間かかりました。
iPhoneの音声だけはなぜか1日で聞き取れましたけどね。
NHKのニュースが人工内耳だけで聞き取れたときはうれしかったなぁ。
あれから3年経過したのですね。
今は電話もそれなりに聞き取れています。
音声が聞き取れるのはコロナ禍でオンラインのイベントが多くなった今となってはとても助かっています。

マッピング9回目

11月11日に一人で9回目のマッピングに行ってきました。マッピングは11回目ではありません。9回目です。

最近、マイナンバーカードが保険証として使えるとか、将来的には保険証が廃止されるといわれていますね。
そこで、先日ポイントをもらうためにマイナンバーカードの保険証登録を行ったので、試してみることにしました。

「あのー、マイナンバーカード保険証で使えますかね?」
と聞いてみたところ、
「使えますけど、暗証番号か顔認証が必要です」
といわれました。
そこで、暗証番号での認証を希望してみました。
すると、番号はタッチパネルで入力しなければならないといわれました。
クレジットカードの暗証番号のようにテンキーで入力できるのかと思っていました。
仕方ないので、係の方に入力してもらいました。
国が進めていることなのに視覚障碍者が使えないシステムでは困りますね。
何とか改善してもらいたいものです。

さて、マッピングの話です。
最初に人工内耳を付けて聴力検査を行いました。
普通の聴力検査はヘッドホンを装着して行うのですが、人工内耳の聴力検査は防音の部屋で何もつけずに、スピーカーから流れてくる音を聞いて行います。
前回は低音域の音が聞き取りにくかったのですが、今回はマッピングを調整した効果もあり、低音も聞き取れているといわれました。

マッピングは、少し音を調整しただけでした。今回の

人工内耳の手術を受けてもうすぐ3年になります。
大分安定してきたという感じです。

Textaという音声認識サイトを試す

Textaという音声認識サイトがあるという情報をいただきました。

Texta

使い方を質問されましたので実演した音声をアップします。

ちなみに既存の音声を認識するデモでは下記の動画の音声を使用しました。

講演会「ITを活用して視覚障害という人生を楽しもう」
2022年3月20日開催 名古屋ライトハウス用具展 
~視覚障害者のための機器展示会~ にて
講師 株式会社ラビット 荒川明宏氏

認識した結果出てきたテキストです。


講演会 IT を活用して視覚障害という人生を楽しもう 講師 株式会社ラビット 荒川明宏氏 会場 後楽 コミュニティセンター
ガラケーと言われる
乗っかってるんですけどね
イット ナット
電話したんですけどまぁ こういう電話しちゃって 2026年の3月で使えなくなるという風に
それより早く寝たのメーカー 2022年かかるしね
私は直接見たことないんですか
テレビとか押してみると
電話が使えなくなりました ですね そういうコマーシャル コマーシャルとは言わないのかな
起こした方がいいですよ
知り合い ここで私の知り合いということにしときましょう
目の上の
携帯電話 なくなる
連絡あったんだけど出なかったんです


テレビとか押してみると電話が使えなくなった?
なにかテレビから強烈な電波でも出力されたんですかね?

連絡があったんだけど出なかった?
連絡してこられたのに出ないなんてひどい人ですね。それとも嫌いな人だったんですかね。

何かそういう誤解をしそうな認識ですね。

うまくいくときは結構きれいに認識するんですけど、駄目なときはこんな感じになります。

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