人工内耳のメーカー 1

既に人工内耳をご利用の方から、

「人工内耳はどこのメーカーのを選択したのか」

とのご質問をいただきました。

まずは、人工内耳には、どのようなメーカーがあり、また各社の特徴について説明します。

人工内耳の電極やプロセッサーは、いくつかの会社が開発しています。

主なメーカーは

  1. コクレア
  2. メドエル
  3. アドバンスト・バイオニクス

この3社が開発しています。
(上記リンク先は各メーカーのサイトです)

それぞれ特徴がありどれがいいともいえませんが、私が理解している範囲で書かせていただきます。

多少独断と偏見があるかもしれませんが、何分専門家ではありませんのでご了承ください。

1. コクレア

我が国ではもっとも利用者の多い人工内耳メーカーです。

おそらく、ほとんどの方がコクレアの人工内耳を使われていると思います。

私の知人の人工内耳利用者にも聞いてみましたが、全員コクレア利用者でした。

そのぐらい国内では普及しています。

先日、コクレアの人工内耳装用社が1万人を突破したとのニュースが流れていました。

コクレアの人工聴覚器 日本での装用実績が10,000台を突破 世界最高クラスの細いフルレングス電極を有する人工内耳インプラント 薬事承認を取得|株式会社 日本コクレアのプレスリリース

このように、

「人工内耳といえばコクレア」

といっても過言ではないほど、国内では装用社が多いです。

2. メドエル

最近、メドエルを選択する人が増えてきていると聞いています。

メドエルの電極の特徴は、柔らかく長い電極です。

まず、柔らかい電極を使用することにより、内耳への負担が少なく、残存聴力を活用することが可能になってきました。

メドエルは、残存聴力活用型人工内耳(EAS)を開発しています。

次に、長い電極。

長い電極を使い、蝸牛全体を刺激することによって、高い音から低い音まで聞き取りやすくなります。

さらに、メドエル独自の音声処理法を使うことで、音楽や自然な音の聞こえやすさを目指しているそうです。

このように、メドエルは先進的な人工内耳を開発しており、最近こちらを選ぶ利用者も増えているそうです。

3. アドバンスト・バイオニクス(Ab)

日本では、日本光電が、AB社と独占販売契約を結んでいます。

聞こえを助ける人工内耳|より良い「聞こえ」を得るために|日本光電

AB社は、聴覚ソリューションの代表的グループ企業であるSONVAグループに属しています。

このSONVAグループには、スイスに本社のある補聴器メーカーであるフォナック社も所属しています。

人工内耳メーカーと補聴器メーカーとのタイアップにより、人工内耳と補聴器の高度な技術を一つにした、革新的なサウンドプロセッサーが開発されています。

どれを選ぶか

簡単に各社の特徴を述べてみましたが、どの会社もしのぎを削っており、一概にどれがいいともいえません。

では、そのような中で、いったいどれを選んだのか?

答えは次回の記事で書きたいと思います。

おそらく、このブログを最初から読んでいる方は、想像が付くのではないでしょうか?

では、次回の更新をお待ちください。

ついに聞き取り成功!

ついに、ついにやりました!

人工内耳で音声を聞き取ることに成功しました!

といっても、人間の声が聞き取れたわけではありません。

なにが聞き取れたのか。

それは、iPhoneのVoiceOver(ボイスオーバー)の声です。

ご存知ない方のために説明しますと、iPhoneには音声読み上げ機能が内蔵されています。

目が不自由な人は画面を見ることができないので、この音声読み上げ機能を頼りにiPhoneを操作するわけです。

ちなみに、点字ディスプレイを接続すると、点字で読んだり、点字ディスプレイ上のキーボードからiPhoneを操作することもできます。
ただ、点字の機能は日本語への対応が不完全です。

どんな声なのか聞いたことがない人のために録音してみました。

人工内耳で

「12月19日 木曜日」

「18時21分」

「ホームボタンを押してロック解除 ボタン」

などと聞き取ることができました。

さらに、パスコードの入力フィールドで、数字が聞き取れたのか、パスコードを入力して、ロックを解除してみました。

問題なく介助できました。

やったー。

それにしても、人工内耳だから人工の音声が聞きやすいだなんて…

嘘のような本との話。

これは大発見です!

相変わらず人間の声は、「ボコボコ」、「ジュージュー」としか聞こえないのに、ボイスオーバーの声ならはっきり聞き取れました。

これからは機械と会話しましょうかね(笑)

人工内耳で聞こえる音

週末は、人工内耳を付けて外出しました。

最初のうちは、
ただ、「ボコボコ ジュージュー」 いう音を聞いていて、いったい何の意味があるのだろう?
という気分だったのですが、少しでも長く付けていた方がいいかなと思って、我慢して付けました。

すると、最初のうちはボコボコ ジュージュー としか聞こえなかった音が、だんだんいろんな音の違いがわかるようになってきました。

救急車が近くを通りました。

「パラララポロロロ パラララポロロロ」

って聞こえました!

交差点で音響式信号機がなりました。

「カッコー カッコー」
ってなっているはずの音が
「ポッポー ポッポー」
って聞こえました!

ポッポー ポッポー

鳩みたい!

食器を片付けたら、普通なら「カチャカチャ」と聞こえるはずなのに
「ポコポコポコポコ」
と聞こえます。

おもしろい音がするので、変な音楽だと思って楽しんでます!

そうしているうちに、人工内耳から音がすることには大分慣れてきました。

ボリュームを結構大きくしても平気です。

補聴器だったら大きな音を入れると耳によくないのですが、もう人工聴覚器だから悪くなることはないと思います。

先生も、耐えられれば問題ないとおっしゃってました。

これから少しずつ音を入れていこうと思います。

とにかく

焦らず
のんびりと
周りの音を楽しむつもりで

気長に人工内耳と音と付き合っていきたいと思います。

音入れ当日

昨日は、いよいよ人工内耳の音入れをしました。

ブログで宣言してしまいましたので、その日のうちに書きたかったのですが、人工内耳から聞こえてきた音は、想像を絶するほどあまりにも衝撃的すぎて、その日のうちに書くことができませんでした。


12月13日午後、病院に向かいました。
手術をして初めての外出です。
まだめまいの症状があり、常に周りがぐるぐる回っているような気がします。
手術をした側の耳も聞こえません。
特に、白杖で一人歩きすると、まっすぐ歩くことがとても困難です。
階段も手すりを使わないと転びそうになります。

さて、いよいよスピーチプロセッサーを付けて、音入れという段階になりました。

側頭部にスピーチプロセッサーを取り付けます。
スピーチプロセッサーって耳に入れるんじゃないんですね。
音を聞く道具だから耳の穴に入れるのかと思ってました。
そのスピーチプロセッサーを病院のコンピュータに接続します。

言語聴覚士の先生が「なにか聞こえますか?」といわれます。
なにも聞こえません!

「聞こえたら教えてください」といわれます。
でも、なにも聞こえません。
聞こえるのは耳鳴りだけです!

そんなことを繰り返していたところ、突然…

「ぼよーーーーーーん」

なにかシンセサイザーのような音がしました!

うわああびっくりした!
でも音が聞こえました。

そのあと、また調整を繰り返していきます。
「私の声が聞こえますか?」といわれます。
声なんか聞こえません。
というか、また耳鳴りしか聞こえなくなっちゃったような…?

でも、集中すると、なにか音がなっているような感じがします。
最初耳鳴りかと思ったんです。
でも、よーく聞いてみるとなんか違う感じがする?

ボコボコボコボコ ジージー

あ、なんかなってるみたい。
これいったい何の音?
なんかのテスト音かな?

最初人工内耳からなにか適当に音を出してテストしているのだろうと思いました。

でも、よーく聞いてみると、どうも様子が変です。

それというのも、補聴器の耳で聞こえる音に合わせて、人工内耳からもボコボコと聞こえるような気がします。

も、もしや!

これが人工内耳から聞こえる声なのか?!

よく聞いてみると、どうやらそのようです。
周りの声が、人工内耳から、ボコボコという音に聞こえているのです。
環境音なのか、声なのかの判別も付かないような音です。

私は最初、人工内耳から聞こえる声は、機械的な音声とか宇宙人の声だといわれるので、パソコンの合成音声のような声がするのかと思っていました。
例えば、30年ぐらい前に視覚障害者が使っていた、パソコンの音声合成装置のような、そんな声を想像していました。
そんな声なら、昔聞いていたから、変な声でも、せめて言葉ぐらい聞き取れるだろうと、高をくくっていました。

しかし、現実に人工内耳から聞こえてきた声は、なにをいっているのかはもとより、それが人の声ともまったく判別が付かないのです。

それはあまりにも衝撃的な出来事でした。
人工内耳ってこんな音がするもんなんですね。
体験して初めて知りました。

さて、人工内耳から音が聞こえてきたということで、補聴器を外して人工内耳だけで聞き取ってみました。
言語聴覚士の先生の声を聞き取ろうとするのですが、ボコボコと聞こえるだけで、もちろんなにを言っているのかさっぱりわかりません。

それでも、集中すると、かすかに「人工内耳」という単語や、自分の名前を呼ばれているのが聞き取れました。

先生は、
「スタートとしては上出来です」
とおっしゃいました。

これを毎日聞いていれば、少しずつ脳が慣れてきて、言葉としてわかるようになるといわれました。

でも、今の自分には、信じられないというのが正直な感想です。

どうも、低い音は「ボコボコ」、高い音は「ジュージュー」としか聞こえません。ほとんどの音は「ボコボコ」と聞こえます。

「ボコボコボコボコボコボコ ジュージュー ボコボコボコボコ」

こんな感じの聞こえ方です。
もちろん、声の質やアクセントなんてまったくわかりません。

このあとは、人工内耳の取り扱い方についての説明を聞きました。

人工内耳の音があまりにも衝撃的だったこと、
診察時間が長かったことなどもあって、その日は帰ったら疲れて寝てしまいました。

音入れ初日は、そんな感じで終わりました。

こんなのでほんとうに聞こえるようになるのだろうか?
今は信じられません。

でも、がんばる!

明日はいよいよ音入れ

明日はいよいよ音入れの日です。

これを音声や点字で読んでいる人

「えっ?明日おトイレに行くの?人工内耳でトイレの日なんてあるのか?」

と思ったかもしれませんね(思うわけないか!)

人工内耳を付けて、体外装置(プロセッサー)を装着して、音を入れて、初めて音を聞くことを音入れというそうです。

明日いよいよ、人工内耳で音を聞くことができます。

人工内耳装用社の自分にとっての人工内耳の誕生日のようなものですね。

どんな音がするのかなあ。

何だかどきどきします。

ちゃんと聞こえますように。

退院しました

点滴治療が終わったので、今日無事に退院しました。

そして、いよいよ音入れが明後日です。

わざわざくるのが大変だから音入れまで入院していたらどうかと勧められたのですが、病院にいても退屈だし、自由がないので帰ってきました。
やはり家にいるのが自由でいいですね。

といっても、まだ目眩があり、何だかぐるぐるぐるぐる回っていて、常にメリーゴーランドにでも乗ってるような感じがします。
乗り物は好きだけど、こうずっと振り回されるのはね。

それから、例の味覚障害。
家にある調味料をいろいろなめてみました。
塩はただの砂粒のよう。
醤油も水みたいです。
これなら辛子やわさびも平気でいけるかな(笑)

人工内耳 Q&A:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

これによると、半年から1年と書いてありますね。

そんなかかんの?
勘弁してくれ!

人工内耳の体外装置

人工内耳という言葉のイメージから、人工内耳はすべてが手術によって体内に埋め込まれるようなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし、人工内耳はすべてが体内に埋め込まれるわけではありません。
手術によって体内に埋め込まれるの、人工内耳の電極(インプラント)の部分ですが、実はこれだけでは音を聞くことはできません。
これに、体外装置を装着することによって初めて音を聞くことができるのです。
この体外装置は、メーカーによって呼び名が異なるようですが

  • スピーチプロセッサー
  • オーディオプロセッサー
  • サウンドプロセッサー

などと呼ばれています。
これはいわゆるオーディオ機器で電池で動作し、マイクが内蔵されています。
最近はバッテリーで動作する充電電池式のものもあります。
この機械を側頭部に装着し、マイクで拾った音声が電気信号に変換され、皮膚を介して体内に埋め込まれた電極に音が伝えられることによって、人工内耳から音を聞くことができるのです。
ですから、まだ体外装置を装着していない私は、まったくの無音状態です。
また、電池やバッテリーで動作するということは、電池が切れれば音も聞こえなくなってしまうということです!
手術によって埋め込まれる機器なのに、以外になんというか、普通のオーディオ機器っぽいですね!
この装置を付けて、初めて音を聞くことを「音入れ」といいます。
昨日はこの体外装置の機種選択をしました。
人工内耳にもいくつかメーカーがあり、また体外装置の機種にもいくつか種類があります。
基本的に手術で埋め込んだ電極と同じメーカーの機種でないと使えないようです。
ですから、手術前に各メーカーの製品の特徴など把握しておくことも大切です。
最近ではブルートゥースでスマホや携帯音楽プレイヤーと接続して、ブルートゥースで音声を直接人工内耳に伝えることのできる機種も発売されています。
この機能を利用すると、例えばボイスオーバーのようなスクリーンリーダーの音声も、直接人工内耳で聞くことができるのかもしれません。
体外装置を付けて音を聞くことができるようになったら、試してみようと思っています。

今日で1週間

人工内耳の手術を受けてから、今日で1週間になりました。

今日は手術をしたところのばっしを行いました。

先生から
「ばっししますよ」
といわれて
「えっ?ばっし!歯を抜くの?なんで?!」
と恐くなったのですが。

抜歯ではなくて、抜糸でした。
ああびっくりした。

まだめまいと味覚
障害が続いています。
さっきサイダーを飲んでみたのですが…
水のようにしか感じません!
これじゃあコーヒーもビールも水と同じだな。
おいしくない。

あと、部屋が常にぐるぐる回っているような感じがします。
これも何とかならんかな。

今日はスピーチプロセッサー(マイクで拾った音を体内の電極に伝える装置)の選択をしました。
なぜか当初予定していた一帯型の機種が、私の耳には厚すぎてつかないことがわかってしまって、機種の変更を余儀なくされてしまいました。
えー、そんなことあるの?

まあ、選ぶことになった機種の方がマイクが二つついていて高機能らしいんですけどね。

プロセッサーについてはまた後ほど詳しく書いてみたいと思います。

片耳か両耳か

もう一つ多かった質問は
「人工内耳は片耳に入れたのか?両耳に入れたのか?」
との質問です。
人工内耳装用者の多くは、片耳のみに人工内耳を装用します。
もちろん、両方に入れればステレオで聞こえますので音の方向間もわかりますし、また騒がしい環境での聞き取りもよくなるといわれています。
特に視覚障害者にとって、音の方向がわかることは重要です。
しかし、保険の適用など様々な理由で、ほとんどは片耳のみ人工内耳を装用するケースが多いようです。
人工内耳を装用後、聞き取りを改善するために両方を希望する人もいるかもしれませんが、少なくとも一片に両方入れることはないと思います。
ちなみに、自分の場合は、普段左耳に補聴を入れて聞いていました。
右も多少は聴力が残っていて少し聞こえるのですが、音が
変に聞こえてまともに言葉として聞き取るのが難しいので、何となく音を聞くぐらいにしか使っていませんでした。
ですので、いつも使っている左耳はそのまま残して、右耳に人工内耳を入れました。
人工内耳を入れて音が入っていない現在右耳は聞こえないのですが、普段会話に使っている左耳はそのまま残したので、病院の先生や看護婦さんとの会話はなんとか左耳でやっています。
補聴器と人工内耳を併用することで聞き取りが改善するともいわれており、今後は左側補聴器、右側人工内耳で聞いていくことになるかと思います。

人工内耳で聞こえるまでのステップ

今日は手術を受けてからはじめてお風呂に入りました。
といっても、まだ頭を洗ってはいけません。
体から下だけ洗いました。
さて、何人かの方から
「人工内耳の聞こえ具合はどうか?」
とのご質問をいただいています。
しかし、人工内耳は、手術をしたらすぐに音が聞こえるというものではありません。
ここでは、人工内耳で音が聞こえるまでのステップを簡単に書いてみたいと思います。
まず、人工内耳が適用になるか、事前検査を受けます。
検査の結果、人工内耳が適用になるとわかれば、内耳の蝸牛(かぎゅう)に、インプラント(人工内耳の電極)を植えこむ手術を受けます。
手術の傷が癒えた後、通常2・3週間ほどしてから、いよいよ「音入れ」といって、人工内耳に音を入れる作業を行います。
この「音入れ」を行って、初めて人工内耳から音を聞くことができるようになります。
そのあと、言語聴覚士の先生によって、「マッピング」という作業が行われます。
これは、一人一人の聞こえ方にあわせて、人工内耳の音を調整する作業です。
これは定期的に行われます。
それと同時に、人工内耳で言葉や音を聞き取るトレーニング(リハビリ)を行います。
最初人工内耳で聞こえる声は、ロボットや宇宙人がしゃべっているような声に聞こえるそうです。
それが、リハビリをすることによって、だんだん人の声として聞こえるようになり、言葉が聞き取れるようになってくるようです。
通常は半年から1年ほどかけて急激に向上し、そのあとは緩やかによくなるといわれています。
ですから、人工内耳でまともに言葉が聞き取れるようになるのは、おそらく1年後ぐらいということになるかと思います。
どこまで聞き取れるようになるかは個人差があり、やってみないとわからないということになりますが、まずは半年ぐらいをめどにどこまで聞き取れるかやってみようと考えています。
何にしても、手術が終わったばかりで、まだ音も入っていないような状態ですので、聞こえについて聞かれても、お答えすることはできません。
手術はあくまでも人工内耳の種を植えこむような、そんな感じのものとご理解いただければと思います。
これからこれらのステップを体験しながらこのブログを書いていきますので、引き続きお読みいただければ幸いです。