この文章は私が「アクセスレビュー7月号」に掲載したものです。編集部の許可を得て、自己転載します。
私のモバイル体験から
九曜 弘次郎
mailto:kojiro.kuyo@nifty.ne.jp
Homepage:http://member.nifty.ne.jp/KUYO/
ここ最近「モバイル端末」や「モバイル通信」などと言った言葉をよく耳にするようになりました。しかしどういったものをモバイルと言うのかは人によって違い一言で説明するのはなかなか難しいのですが、野外や外出先など場所や時間にとらわれず、いつでもどこでもメールのやり取りや、必要な情報にアクセスできる環境を「モバイル」というのだと私は考えています。
今までパソコンと言うのは、机の上において使うと言うのが普通でした。ところがノートパソコンの小形計量か、また「ザウルス」や「モバイルギア」などと言った携帯情報端末(PDA)の登場により、いつでもどこでもパソコンを持ち運べるようになりました。また電話は線で繋がっていて、人が電話のところに行って使うのが普通でした。ところがこれも携帯電話やPHSなどの普及により、電話を持ち運んでいつでもどこでも電話がかけられるようになりました。これらの機器の発達により、携帯電話やPHSを利用してパソコン通信が無線で行えるようになり、いつでもどこでもパソコン通信やインターネット利用が可能になりました。
さてここで一つお断りをしておきます。一口に「モバイル通信」と言っても、前述の携帯電話やPHSを利用した無線データ通信の他、街角の公衆電話を利用しての通信、ホテルなどの宿泊先の回線を利用した通信、海外からの通信などさまざまな方法が考えられます。また通信をする相手先もパソコン通信ホストやインターネットプロバイダー、そのなかでもアナログ回線の場合やデジタル回線の場合などに分けられます。ここで全ての通信手段について紹介するわけにもいきませんし、私自身全ての方法を知っているわけではありません。そこでここでは私自信のモバイル通信の経験談、主にPHSや公衆電話を使っての方法の例を紹介しながら、モバイル通信に必要な機材やその方法、そしてモバイル通信の便利さや問題点、さらには視覚障害者におけるモバイル通信の活用法や将来について私なりの考えを述べさせていただきたいと思います。もしかするとかなり独断と偏見に基づいた文章になるかも知れませんがご了承ください。
またここでは通信ソフトに視覚障碍者の多くが利用していると思われる「WTERM」を用いて、主にパソコン通信ホスト曲への接続方法を例に説明させていただきます。また通常の家庭回線での通信が正常に行えていることを前提に書かせていただきます。これらの設定がまだの方はWTERMのドキュメント、または本誌に連載されている「パソコン通信入門」などを参考にインストールや設定などを行ってください。
■ 私がモバイル通信を始めたきっかけ ■
私がモバイル通信に興味を持ったきっかけはちょうど2年ぐらいまえのことでした。私は就職の関係で実家を離れ、寮に住まなければならないことになってしまいました。ところがその寮の部屋には電話回線がありませんでした。この寮にあった電話は、玄関に古い型のピンクの公衆電話があるだけでした。これではモデムを接続することができません。パソコン通信をやっていた私にとってまさにこれは通信をやめなければならない危機に立たされたのです。
しかし「なんとかしてパソコン通信を続けたい」と思い、いろいろと手段を考えました。一つ考えたのが音響カブラーと言うものを使っての通信です。この音響カブラーと言うのは、データの受信は電話の受話器から出る音をマイクで拾って、それをパソコンのデータに変換します。送信は音響カブラーから発進される音声信号を電話の受話器の送話口から入れて電話回線に流すと言った方法で通信するものです。なかには14400bpsで通信できる製品もあるようですが、ほとんどが2400bpsでの通信となるようです。
■ PHSでの見なし音声通信 ■
そんなときPHSを使って、パソコン通信ができると言うことをある人から教えてもらいました。「これならなんとかなるかも!」と思った私は早速PHSを契約しデータ通信を試みたのでした。当時は現在のように正式にPHSによるデータ通信サービスがありませんでしたから「見なし音声通信」と言う方法を使いました。これは通常電話回線を利用して通信を行う場合、電話回線からの音声を利用して行いますが、電話回線のかわりにPHSのイヤホンマイクを経由した音(これを見なし音声と言います)で通信するのでこう呼ぶようです。それではこの通信を方法を述べたいと思います。なおこの方法はアナログ携帯電話でもほぼ同じように行うことができます。通信する相手先は、通常のモデムになります。
■ 見なし音声でのデータ通信の方法 ■
まずあたりまえですが、パソコンや通信ソフトが必要です。みなさんが既にお持ちのパソコンでかまいません。また持ち運びする場合はノートパソコンが望ましいのですが、そうでない場合はデスクトップ型でもかまいません。
さてそれらの機器がそろったら接続です。PHSのイヤホンマイクとモデムのモジュラージャックを、用意したケーブルで繋ぎます。なおPHSの機種によっては、デジタル方式の電話に見られる山びこ現象(エコー)を抑制する機能がついたものがあります。通信時にこのエコー現症が起こると通信エラーが起きやすくなるので、この機能を有効にしておいてください。なおこの設定がないPHSもあります。ちなみに私が使っていた機種にはありませんでした。詳しくは各PHSの説明書などを参考にしてください。
さてこれで設定は終わりです。いよいよ実際の通信に入ります。通信ソフトを起動してください。F5キーを押して、カーソルキーでアクセスしたいホストを選びます。モデムから直接ダイヤルできるPHSをお使いの場合はPHSの「通話ボタン」を押します。そしてリターンキーを押して電話をかけます。なおモデムから直接ダイヤルできない機種の場合は、PHS電話機のボタンを使って普通にPHSから電話する要領で手動でアクセスしたいホスト曲の番号にダイヤルします。するとモデムから「ぷるるるる・がちゃ・ぴぃぃぃぃぃぃ・がぁぁぁ」と言う通信のときにおなじみの音が聞こえてくるはずです。以下うまくいけばログインできるはずです。
上記が見なし音声による通信の方法です。この方法では少しでも電波状態が悪いと途中で固まったり、切れてしまったりすることがあります。また私の体験では、最悪の場合相手先によっては接続できないと言ったこともありました。
■ 公衆電話での通信 ■
さてこうやって通信していたのですが、いよいよノートパソコンとカードモデムを手に入れることができました。ようやくパソコンを外に持ち出すことが可能になったわけです。
まず公衆電話だからと言ってとくにモデム側に特別な設定をする必要はありません。ただ自宅回線がダイヤル回線の方は、さきほどのF7-1-3の回線種類の設定を「トーン回線」に設定しておいてください。
なおこの「ISDN公衆電話がどこにあるのか分からない」と言う方のために情報です。Niftyに、ISDN公衆電話の設置場所一覧があります。1996年の紙量ですのでちょっと古いですが参考にはなると思います。所在は以下のところです。
また上記のISDN公衆電話での通信の方法は私がやっていた方法にしか過ぎず、簡単にしか書いていません。もっと詳しく知りたい方のために以下のような紙量もあります。
Nifty/FISDNG/LIB 9
■ 本格的なPHSデータ通信開始 ■
上記のようにして公衆電話アクセスをしていたわけですが、毎日ともなると公衆電話のあるところまで出かけていくのは大変でした。
そんなときPHS各社が本格的なデータ通信サービスを開始するとの情報が入りました。そして1996年12月に他のPHS会社に先駆けて、DDI-Pが独自規格である「αDATA」サービスを開始しました。
さてここでPHSでのデータ通信の話しに入りたいところなのですが、PHSの会社によってサービスが若干違います。またそれによりPHSの場合、接続しようとするパソコン通信ネットやインターネットプロバイダーがどんなシステムを使っているかにより大きく分けて三つの接続方法があります。まずはそれらについて説明したいと思います。
まず相手先による接続方法の違いです。さきほど相手先のシステムにより三つに分けられると書きました。
さて上記のようにパソコン通信ホストの種類により三つの接続先があるわけですが、PHSのデータ通信サービスを使って直接接続できるものは、PHSのため開発されたPIAFS規格に対応したホストにしか繋げられません。
さてもう一つのDDI-Pですが、こちらはPHSの基地局(これを「CS」と呼びます)にこの変換装置を内蔵しています。ですから接続しようとするホストのある位置までの通話料金を払えばすむことになります。なおDDI-Pでの接続速度は、モデムやFAXとの接続で14.4kbps、TAとで32kbps(実測28.8kbps)になります。
さて私は草の根BBSにもアクセスしていますし、私の住んでいた市内にはPIAFSアクセスポイントがなかったこと、今までDDI-P端末を使っていたことなどからDDI-Pのサービスを利用することにしました。以下DDI-Pでの端末やデータカードの選び方について書きたいと思います。
まず端末(PHS電話機のこと)ですが、どのPHSでもこのサービスが利用できるわけではありません。とはいえ最近のPHS電話機はほとんどデータ通信に対応していますが、なかには対応していない機種もありますのでその区別の仕方を書いておきます。DDI-P対応端末には「αDATA」または「αDATA32」のマークが入った端末があり、このマークのついた端末を選んでください。この「αDATA」と「αDATA32」の違いは、αDATAは無線モデムと無線インターネットの機能しかなく、これにPIAFSでの接続機能を加えたのがαDATA32です。
Nifty/FISDNS/LIB 1
SII ホームページ
残念ながら私は携帯電話を持っていないためこの法式での通信を試したことはありませんので詳しくは書けませんが、携帯電話でも通信ができます。
■ モバイル通信の現状と活用法 ■
さて今までいくつかの例をあげてモバイル通信の手段を説明してきましたが、どのような活用法があるのか考えてみたいと思います。
まずは私のように回線の引けない室内でもパソコン通信ができると言うことでしょう。また配線を工夫したりと言った手間が省けます。今まで通信は電話回線に繋いでやるものと言うのが普通でしたから、電話回線がないところでも通信できるのは画期的なことです。
さてつぎにもっとモバイルならではの活用法を考えてみましょう。出先や出張先、旅行先であってもメールの送受信やFAXの送信などが行えます。
そのほかアイデア次第でもっといろいろな活用法があると思います。
■ モバイル通信の問題点 ■
このように大変魅力的なモバイル通信ではあるのですが、いくつかの問題点があることも確かです。
まずは端末の大きさの問題です。晴眼者の場合はシャープのザウルスやNECのモバイルギアなどに代表される小形計量のモバイル端末が利用でき、かなり小型化されたようですが、視覚障碍者の場合はこれらの端末を利用することは今のところ困難です。もし視覚障害者が利用できるモバイル機器を旅行先に持っていくとして、持っていくものを考えてみましょう。
つぎに通信コストの問題です。PHSの場合は各社データ通信用料金を儲けるなどして通信コストが安価で高速になってきてはいますが、やはり一般の家庭用回線に比べるとまだ高めです。
■ モバイル通信の今後は? ■
モバイル通信はまだまだスタート段階と言えると思います。今後どのようになっていくのか私なりに予想してみたいと思います。
まずは通信速度が高速化されると思います。現在PHS各社はISDNなみの64kbpsでの通信を予定しているようです。現段階では通信規格が会社によってバラバラなど規格の面で問題があるようですが、そう遠くない将来実現するものと思われます。
それからつぎに期待できるのが端末の小形軽量化です。パソコンの小型化は常に行われています。現在ノートパソコンで小さいものではB5サイズで重さがやく1kgと言う製品も市販されています。
■ 終わりに ■
以上私のモバイル体験からモバイル通信の方法、さらに問題点やモバイル通信の未来について書いてきました。これを読まれた方々が少しでもモバイル通信に興味を持っていただければ幸いです。
しかし当時デスクトップパソコンしか持っていなかった私には、電話のところまでパソコンを移動しなければならなず、またこの方法ではあまり安定して通信できるとは思えませんでした。
つぎにPHS。この場合イヤホンマイク端子がついているPHSでなければなりません。さらにモデムからのトーン信号で電話がかけられるPHSも発売されていますので、できればそう言った端末の方がいいと思いますが、とりあえずイヤホンマイク端子が付いていればOKです。
つぎにモデムです。これは普通皆さんがお使いのモデムでかまいませんが、カードモデムの一部の機種ではPHSによる見なし音声通信ができない機種もあると聞いていますので注意してください。
それからこのPHSのイヤホンマイク端子とモデムのモジュラージャックを接続するためのケーブルが必要です。デスクトップ用のモデムでしたら片方がPHSのイヤホンマイク端子になっていて、もう片方が電話のモジュラージャックになっているケーブルを購入します。カードモデムの場合は専用のケーブルが市販されていますので、自分のカードモデムに接続できる型のものを購入してください。これらのケーブルはパソコンショップや携帯電話/PHSを販売しているお店で購入できると思いますが、最近ではあまり使われないためおいてあるところも少ないかもしれません。
さてつぎにWTERM側と言うか、モデム側の設定です。一般回線で受話器を上げた時の「ツー」と言う音を無視させる設定が必要です。WTERMのF7-1-Eの「モデム基本初期化コマンド列」のところのATコマンドに「X3」を付け加えてください。WTERMをインストールされたさいに、自動インストールプログラムでモデムの機種を選択して初期化コマンド列を自動作成された方の場合は「ATQ0V1E0X4(モデムの機種によっては違ったコマンドが入っているかもしれません)」などと書かれていますのでここを「ATQ0V1E0X3」などとなるように書き直してください。
それからさきほどのモデムから直接ダイヤルできるPHSをお使いの場合は、F7-1-3の「回線種類」の設定を「トーンダイヤル」に設定してください。さらに見なし音声でのデータ通信の場合高速なデータ通信は期待できません。通信速度の設定もできるだけ低く、最初は2400bpsていどにして安定して通信できるようであれば徐々に速度を上げていく方がいいかと思います。通常9600bpsていどが限界です。
もしうまくいかないようであれば、通信速度を落としてみたり、PHSの場所や向きを変えて電波が安定するようにしたり、PHSの機種によっては受話音量を調節できるものがあるのでこれを調節したりするなどいろいろと工夫が必要です。
と言うことでつぎに試みたのが公衆電話からの通信です。と言ってもどの公衆電話でもモデムが直接繋げるわけではありません。ISDNの公衆電話、またはデジタル公衆電話と言われている公衆電話でないと接続することができません。その電話の特徴は見た目が灰色(グレー)であること、また大型の液晶ディスプレイが付いていてボタンがたくさん付いていること、お金を入れるところの右上隅に「コイン」テレホンカードを入れるところのあいだに「カード出入り口」と点字で書かれていることなどです。
通信をする場合、そのカードを入れるところの下に横長の楕円形の形をしたくぼみがあります。そのくぼみのなかのやや右下の方に上下にスライドする窓のようなものが付いています。その窓を上に押し上げるとなかにモジュラージャックが二つ隠されています。ここにモデムのモジュラージャックを接続して使うわけです。二つありますが、右側がアナログ端子、左側がデジタル端子です。モデムは右側に接続します。左側の端子はTAなどのデジタル通信ができる機器を接続するための端子です。
さらにそのモジュラージャックのあるところから手をやや左上にずらすと、楕円形の窪みのなかの左側に、一つボタンが付いています。これが通信切替スイッチです。それではこの公衆電話を使ってどのように通信するのかを書きます。
さて実際に通信開始です。通信ソフトを立ち上げ通信待機状態にします。モデムとさきほどの公衆電話のモジュラージャックを接続します。つぎに公衆電話の切替スイッチを押します。「がちゃ」と言う音が聞こえます。お金またはテレホンカードを入れます。あとは通常の通信の手順と同じで、WTERMのダイヤルリストからホスト局を呼び出せば接続できると思います。電話回線、しかもISDNというデジタル改選を使うため通話品質はかなり良好だと思います。
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24 SDI00875 96/06/09 2387 624 T ディジタル公衆電話リスト(96/02)について
23 SDI00875 96/06/09 516817 553 B DMC9602 .LZH ISDN公衆リスト全国版 96/02
22 SDI00875 96/06/09 213518 254 B KANTOU .LZH ISDN公衆リスト関東LZH 96/02
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18 SDI00875 96/06/09 64346 111 B NISHI .LZH ISDN公衆リスト西日本LZH 9602
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15 SDI00875 96/06/09 160660 69 T 東日本 .TXT ISDN公衆リスト東日本TXT 9602
14 SDI00875 96/06/09 276258 77 T 中部 .TXT ISDN公衆リスト中部TXT 96/02
13 SDI00875 96/06/09 390331 81 T 関西 .TXT ISDN公衆リスト関西TXT 96/02
12 SDI00875 96/06/09 222916 91 T 西日本 .TXT ISDN公衆リスト西日本TXT 960
11 GFE01231 95/12/10 9775 1146 B ISDNTSU .LZH ISDN公衆パソ通入門(LZH版)
10 GFE01231 95/12/10 26999 569 T ISDNTSU .TXT ISDN公衆パソ通入門(TXT版)
9 GFE01231 95/12/10 5270 1251 T ISDN公衆電話操作説明
さらにそのあと1997年4月には、PHS各社がPHSの統一規格である「PIAFS」に対応したサービスを開始しました。そこで私もデータ通信に対応したPHSやデータカードを購入することにしました。
まず一つ目は通常のモデムによって接続可能なホストの場合です。多くのみなさんは電話回線にモデムを接続して、WTERMなどの通信ソフトでパソコン通信を楽しんでおられることと思います。そのシステムで接続可能な相手先のことです。具体的にはNifty ServeのROAD7やPC-VANの無手順接続回線、また多くの草の根ネットなどがこれにあたります。また最近のモデムにはFAX機能があります。ですからFAXもこの仲間に入ります。
二つ目はISDNと言うデジタルの回線を利用して、ターミナルアダプタ(以下TAと略)により接続可能なホストのことです。最近では高速なデータ転送を行うためにISDN回線を引く方も増えています。主にインターネットのプロバイダーなどがISDN回線を備えています。
そして三つ目が、接続相手先がPIAFSに対応している場合です。PIAFSと言うのは「PHS Internet Access Forum Standard」の略で「ピアフ」と呼びます。名前からも分かるように、これはPHSでデータ通信を行うための統一規格で、PHSで通信するために決められた規格なのです。この法式のすばらしいところは、PHSと言う無線でありながら32kbps(実測29.2kbps)と言う28800/33600bpsモデム並の通信速度が出ると言うことです。さらにPHSで通常の会話ができるていどの速度であれば、移動しながらでも通信可能なのです。なかには電車や新幹線のなかから通信できたと言う報告もあるくらいです!!PIAFS対応のホスト曲としては、Nifty ServeやPC-VANが全国11個所にPIAFSのアクセスポイントを設置しています。ほかにもインターネットプロバイダーのなかにもこのPIAFSに対応しているところもあります。
「それじゃあ俺は草の根ネットにしか入っていないからPHSでデータ通信できないじゃないか!!」
「私の地域のNifty ServeのアクセスポイントはPIAFS対応じゃないのよ!!わざわざ遠くのPIAFS対応ホストに繋がなきゃならないわけ???」
そんな声が聞こえてきそうですね。
でもご安心ください!それに対処すべく方法が用意されています。ただPHSのキャリアによって若干違いがあります。
みなさんご存じかと思いますがPHSの会社には「NTT パーソナル(以下NTT-Pと略)」「DDI Pocket(以下DDI-Pと略)」「ASTEL」の三つの会社があります。そしてこれらのPHS会社は地方によって9箇所に別れています。例えばNTT-Pの場合関東地方でしたら「NTT-P中央」関西地方では「NTT-P関西」と言ったようにです。
さきほどのデータ通信でのアナログモデムやISDN回線に接続された通常のTAに接続するサービスの違いは「NTT-P、ASTEL法式」と「DDI-P法式」の2種類があります。
まずNTT-P、ASTEL法式ですが、PTEと言う言って見ればアナログモデムや通常のTAの信号をPHSで通信可能な法式に変換するセンターを設け、そこを経由することで通信可能にしています。ちなみに通信速度はアナログモデムとで28.8kbps、通常のTAとで32kbps(実測28.8kbps)になります。
ただこのPTEですが、各地方に分けられたPHS会社一つずつしかありません。つまりそれぞれのPHS会社は地方ごとに9箇所に別れていますので、各PHS会社9箇所にしかPTEがないことになります。例えばNTT-P関西でしたら大阪市に、ASTEL九州でしたら福岡市ににと言う感じです。
すると例えば沖縄県に住んでいる人は九州管轄の契約になりますから、地元沖縄のホスト曲に接続する場合でも、PTEが福岡にあるため沖縄から福岡までの通話料金を負担しなければならないと言うことになってしまいます。これがNTT-P、ASTELの欠点です。
なおこのモデムとの接続を「無線モデム」TAとの接続を「無線インターネット」PIAFS対応TAとの接続を「PIAFS」と言って区別します。
さてつぎにデータカードです。いくつかのメーカーから発売されていますが、他キャリアのものも含めてほとんどのものはWindows95やMACにしか正式対応しておらず、DOSベースで使いたい視覚障碍者にとってはやや選択の幅が狭くなってしまいます。なかには対応OSにWindows95やMACのみと書かれていてもDOSで使えたと言う報告もあるにはあるのですが、メーカーとして正式対応していないため、もし使えなかったとしてメーカーに文句を言ったとしても保証はしてくれません。あくまでもユーザーの責任において購入することになってしまいます。
そんななかDOSで確実に使えて設定が楽と言う意味で私のお薦めのカードは、SIIから発売されている「PHS DATA32S(MC-6530)」と言うカードです。これはPCカードタイプで、ノートパソコンのPCカードスロットに装着して使います。カードのインターフェースは通常のモデムカードと同じですので、パソコンに付属のPCカードを使うためのソケットサービスや、WTERMのPCカードドライバなどを用意すれば使うことができます。今までPCカードタイプのモデムカードを使っておられた方であれば、簡単に設定が行えます。
またSIIさんのご協力で、この製品の取扱説明書がSIIのホームページやNiftyのFISDNSのライブラリに登録されています。
所在は以下の通りです。
106 SDI00876 97/07/17 25055 1 B PHS32S .EXE データ通信カード取扱説明書
http://www.sii.co.jp/
のなかのPHSデータ通信関連機器取り扱い説明書
■ 携帯電話での通信 ■
接続できる相手先は通常のモデムやFAXです。通信にはデータ通信に対応した携帯電話端末と、専用のカードが必要です。通信速度は最高9600bpsまでです。PHSで通信するのに比べ通信速度が遅いことと、通話料がPHSより若干通信費が高いと言う欠点はありますが、携帯電話の広い通話エリアを生かし、PHSのサービスを行っていない地域でも通信できると言う意味で、目的によっては大変魅力的な通信手段だと言えます。
また旅行先などで晴眼者の場合は売店などでその日の新聞を買って読むと言ったことができますが、視覚障碍者の場合はそう言うわけにもいきません。もしモバイル通信ができれば、パソコン通信やインターネットなどに接続し、その日の新聞をダウンロードして読むことだって可能になるでしょう。このようにいつでもどこでも最新の情報にアクセスできると言ったメリットが生まれると思います。
まずはノートパソコンです。最近のパソコンはかなり小形軽量化してはいます。つぎにデータカードとPHS/携帯電話です。それからDOSで通信する場合は音声合成装置が必要です。今のところ小形なものとしてはアクセステクノロジーの「軽々ボイス」あるいはヒタチマイコンシステムの音背合成カードなどでしょうか。
これらの機器を旅行などで持参して「かなり荷物になる」と感じるか、そうとも襲わないかは使用する機器やその人の感覚などによると思いますが、私個人の考えとしては少し荷物が多くなるような気がします。もう少し手がるに利用できる機器が欲しいところです。
モバイル通信を普及させるためには、もっと手がるに安価で安心して利用できるシステムが必要なような気がします。
さらに10Mbpsや20Mbpsと言うケーブルモデムなみの速度での通信の実験も行われているようです。まだこれは実験段階で、障害物がないところでPHSの基地局が見えるところでないと通信ができないなど技術面などでも改良が必要なようですが、そのうちにこう言った高速な通信が実現するのではないでしょうか。こうなれば大量のデータが瞬時に送れたりしますから、最近はやりのマルチメディアデータなどをいつでもどこでも速く電送できると言ったメリットが生まれると思います。
それからデータカードの方も、カードそのものにPHSが内蔵されていると言うものも市販されています。つまりカードとPHSの両方を持ち歩く必要が無く、ケーブルで繋ぐ必要もないのです。ノートパソコンのカードスロットに入れてしまえば、大きさ的にはノートパソコン単体で通信しているのとほとんど変わらないようです。そう言った機器を組み合わせれば、現段階でもB5サイズやく1kg+軽々ボイスだけでの大きさで通信が可能です。
モバイル通信の活用により、情報がもっと身近なものになればいいですね。
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