始めようDTM 第15回 ドラムでどんどこどん!! 九曜 弘次郎  新年あけましておめでとうございます。記念すべき2000年ですね。 2000年問題が騒がれていましたが、 あまり大したことはなかったようです ね。  と思ったら、 IBMのホームページリーダーに付属のホームページメーラーが2 千年問題を引き起こしているとかで、みなさん大騒ぎされています!!私はイン ストールしてあるだけで、最近はほとんど使ってなかったので、全く気付きませ んでした。しかし意外なところで、しかも自分が使ったことのあるソフトで発生 したので、ちょっと驚いています。みなさんのパソコンはいかがでしたか?  本年が皆様にとって良い年でありますように。  今年もどうぞ宜しくお願いいたします。  さて新年ということで、ちょっとホットなニュースからお届けいたしましょう。  まずは、 レコンポーザの開発/販売元であるカモンミュージックホームページ リニューアルのお知らせです。  このページでは、初心者の方や、音楽活動をしているが、パソコンをどのよう にして活用すればいいのか分からないという方を対照に、音楽活動に活用できる 具体例のご紹介や、ご使用のパソコンを音楽にも利用できるようにするための手 順のご案内などがされています。  また「視覚障害をお持ちの方へ(SIGHT OF HEART)」というコーナーが新設さ れています。 ここでは視覚障害者の方を取り巻く、 音楽活動に関する情報を、 点字楽譜を中心として紹介するページです。現在は点字楽譜の歴史や仕組みなど を紹介した「点字楽譜の入門の入門講座」があります。  カモンミュージックホームページのURLは http://www.comeon.co.jp/ です。是非一度ご覧になってみてください。  さて次に、本題で取り上げています「レコンポーザ/98 Ver3.0」の修正アッ プデータが登録されています。主な修正内容は以下のとおりです。 ------------------------------------------------------------------------ リズムパートからノーマルパートへ切り替えたときトラックが55と表示され る。 タイムベースコンバートとSAVE RCPコマンドでタイムベースを48に したときにタイが切れてしまうことがある。 RS232C−2に接続してポイントプレーを行うと正しい音色で発音されな い。 Windows版レコンポーザで作成したGRTファイルが読み込めない。 ALL TRACK COPY実行時に、セイムメジャーの値が正しく変わらない。 ------------------------------------------------------------------------  アップデータは以下からダウンロードしてください。 http://www.comeon.co.jp/cm_world/cm_land/users/download/update.htm  最後に、ローランド社のMIDI音源モジュール「SC-8850」をお使いの方に、 内 部プログラム不具合による無償修正のお知らせです。 以下の製造番号のSC-8850 において、演奏条件により作者の意図通りに演奏できないという不具合が発生す るようです。  該当製品製造番号:ZM1****, ZM2****, ZM3****, ZM4****  ※製造番号は、SC-8850本体背面の「SERIAL NO.」 覧に墨字で印字されていま   すので、一度、晴眼者の方に見ていただいてください。  具体的な不具合の内容ですが 1.オープンハイハットを速く連打すると、前に鳴っていた音が消音する。 2.特定の音色をモノ・モードにしてポルタメントをかけたときに音が小さくな ることがある。 3.ストリングスのトリルやトレモロで、音が途切れたように聞こえる場合があ る。  上記修正依頼は、お近くのローランドサービスステーション、営業所にお願い します。  詳しくは http://www.roland.co.jp/cs/SC-8850.html をご覧ください。  以上です。  それでは本題に入ります。 前回はWindows版レコンポーザについて簡単にレポ ートしてみましたが、 今回からはまたDOS版のレコンポーザを使用しての打ち込 み講座にしていきます。  しかし前回も紹介しましたように、Windows版レコンポーザでもDOS版とよく似 た操作体系を採用しています。ですから、もしWindows版をお使いの方でも、 是 非これからの連載を参考にしていただければと思います。  さて今回は、リズムパート(ドラム)の打ち込みをやってみることにします。 ドラムは特に、ポップス系の音楽にはなくてはならない存在です。このドラムの 打ち込み方一つで、曲全体のリズムが決まるといっても言い過ぎではないぐらい 重要なものです。是非マスターしましょう!!  MIDI音源には大きく分けて「ノーマルパート」と「リズムパート」という、二 つの音色セットがあります。  ノーマルパートは、ピアノやギター、ベース、ストリングス、管楽器などとい った音色が割り当てられており、メロディーや和音など、いわゆる音階を演奏す るためのパートです。例えばMIDI音源に鍵盤が接続してあったとして、MIDI音源 の音色をピアノに設定し、鍵盤で「どれみふぁそらしど」と演奏すると、ピアノ の音で「どれみふぁそらしど」と、通常のピアノと同じように、押した鍵盤の音 程が聞こえてきます。  それに対して「リズムパート」は、太鼓やシンバル、カスタネット、トライア ングルなどといった、いわゆる「打楽器」を演奏するためのパートのことをさし ます。これらの楽器は、メロディーを演奏したり和音を演奏したりするのではな く、リズムを刻むために使用されます。そのためノーマルパートとは区別されま す。  MIDIキーボードを接続してMIDI音源をリズムパートにして演奏すると、例えば 「ど」の鍵盤を押すとバスドラムの音が「れ」の鍵盤を押すとスネアードラムの 音が聞こえるといった感じになります。つまり鍵盤一つ一つにいろいろな打楽器 が割り当てられているのです。  それではMIDI音源をドラムパートにするにはどうすればいいのでしょうか。  これはお使いのMIDI音源により異なるのですが、GM規格では、MIDIチャンネル 10をリズムパートに割り当てています。ですから10チャンネルでデータを送っ てやれば、リズムパートが演奏できます。  (注) GS/XG音源では、リズムパートを他のチャンネルに割り当てたり、 逆      に10チャンネルをノーマルパートに割り当てることも可能です。 <レコンポーザでドラム打ち込みをするには>  上記の説明から、リズムパートをならすには、MIDIチャンネルを10に設定すれ ばいいことが分かりましたね。ではレコンポーザでこれをするにはどうすればい いのでしょうか。  レコンポーザのデフォルトの設定では、1〜16トラックが、それぞれMIDIの 1〜16チャンネルに対応しています。(変更も可能)ですから単純に考えて、 10トラックを開けば、そのままリズムパートのエディットができることになり ます。  では早速10トラックを開いてみることにします。  レコンポーザを起動し「MAIN COMMAND」になっている状態で[F3]キーを押しま す。  トラックの選択画面になりますので[上下矢印]キーで10トラックを選択しま す。通常起動したばかりの状態の場合は[下矢印]キーを9回押せば10トラック になります。  そして[リターンキー]でエディット画面を開きます。  すると以前に「どれみふぁそらしど」を入力したときのようなエディット画面 になるはず…と思うのですが、どうも様子が変です。  画面を読ませてみると「KickDrum1」とか「SnareDrum1」などと、 変なことが 書いてあります!!  実はこれ、レコンポーザのリズムエディット画面が開いているのです。  画面の説明を簡単にしますと、まず左側にリズム楽器の名称が書かれていて、 それが縦にいろいろな打楽器の名称が並んでいます。「KickDrum1」 はキックド ラム、つまりはバスドラムのことなのです。  そしてノーマルパートでは、1行が1ステップになっていました。つまり時間 軸に縦になっていたわけです。ところがリズムパートでは、時間軸が横になって います。  これはリズムパートを入力しやすくするためにこうなっているのです。  しかし、私が試したところ、どうもこのリズムエディット画面は音声では少し 使いづらいようです。  「それじゃあドラムの打ち込みはできないのか」と言われるかもしれません。 私の場合は、リズムパートをノーマルパートの画面で打ち込んでいます。少し工 夫が必要ですが、以下にその方法を説明します。  まず、今開いているリズムエディット画面をノーマルエディット画面に切り換 えます。[N]キーを押してみてください。  どうですか?以前に音階を入力したときのような画面に切り替わったでしょ う。もう一度、[N]キーを押してみてください。 するとリズムエディット画面に なります。  このように[N]キーを押すことでノーマルエディット画面とリズムエディット 画面をトグル式に切り換えることができます。  ここではノーマルエディット画面で作成しますので、ノーマルエディット画面 にしてください。  ところで「ノーマルエディット画面でどのようにしてリズムパートを打ち込む のか?」と疑問に思われるかもしれません。  さきほど説明しましたように、MIDI音源では鍵盤一つ一つ、つまり鍵盤にたい する音程ごとに打楽器が割り当てられています。ですから例えば「ど」の鍵盤が バスドラムだとすると 「ど」 の鍵盤を押せばバスドラムの音が鳴るわけですか ら、レコンポーザでも「ど」の音を入れてやればバスドラムの音になるというわ けです。  以下に、GM規格における音程、ノートナンバーとリズム楽器の対応表を載せて おきますので、参考にしてみてください。 ----------------- GM規格におけるパーカッションマップ表 -----------------  以下、音程 ノートナンバー パーカッション(リズム楽器)名の順に記載しま す。音程はノートナンバー60をC4とします。  B1 35 Acostic Bass Drum  C2 36 Bass Drum 1  C#2 37 Side Stick  D2 38 Snare 1  D#2 39 Hand Clap  E2 40 Snare 2  F2 41 Low Floor Tom  F#2 42 Closed Hi_hat  G2 43 High Floor Tom  G#2 44 Pedal Hi_hat  A2 45 Low Tom  A#2 46 Open Hi_hat  B2 47 Low_Mid Tom  C3 48 High_Mid Tom  C#3 49 Crash Cymbal 1  D3 50 High Tom  D#3 51 Rede Cymbal 1  E3 52 Chinese Cymbal  F3 53 Ride Ball  F#3 54 Tambourine  G3 55 Splash Cymbal  G#3 56 Cowbell  A3 57 Crash Cymbal 2  A#3 58 Vibra_slap  B3 59 Ride Cymbal 2  C4 60 High Bongo  C#3 61 Low Bongo  D2 62 Mute Hi Conga  D#4 63 Open Hi Conga  E4 64 Low Conga  F4 65 High Timbale  F#4 66 Low Timbale  G4 67 High Agogo  G#4 68 Low Agogo  A4 69 Cabasa  A#4 70 Maracas  B4 71 Short Whistle  C5 72 Long Whistle  C#5 73 Short Guiro  D5 74 Long Guiro  D#5 75 Claves  E5 76 Hi Wood Block  F5 77 Low Wood Block  F#5 78 Mute Cuica  G5 79 Open Cuica  G#5 80 Mute Triangle  A5 81 Open Triangle ------------------------------------------------------------------------  ※なおGS/XG音源では、上記の表以外にもリズム楽器が入っています。 またプ ログラムチェンジをすることにより、いろいろなジャンルのドラムセットの選択 が可能です。しかし上記以外のものは音源により多少異なりますのでここでは省 略させていただきます。詳しくは各音源マニュアルの音色リストをご参照くださ い。  さて、何はともあれ一つリズムパターンを作成してみましょう。ここではもっ ともポピュラーだと思われる、8ビートのリズムパターンを作成してみます。  どのようなリズムパターンを作成するのか、とりあえず聞いてみたいという方 は、本誌FSWディレクトリ内にある「DRUMSMP.LZH」内の「8BEAT.RCP」を、 レコ ンポーザや他のMIDIプレイヤー等で再生しておき聞ください。  上記のデータを聞いてみると、まず8分音符で「ちっちっちっちっちっちっち っちっ」となっています。これがハイハットです。  そしてそれに合わせて、バスドラムとスネアードラムが「どんたどどんた」と なっています。  どういった手順で入れてもかまわないのですが、細かい音符の楽器から入れて いって、それに重ねるようにして他の楽器を入れていくのが楽だと思いますので、 ここではそのやり方でやってみることにします。  上記データで1番細かな音符は、8分音符で刻んでいるハイハットです。  MIDI音源のパーカッションマップのリズム楽器のリスト(上記GM規格における パーカッションマップ表参照) を見ると 「Open Hi_hat (オープンハイハッ ト)」 と「Pedal Hi_hat(ペダルハイハット」「Closed Hi_hat(クローズハイ ハット)」と、ハイハットには3種類あることが分かります。  ドラムセットを触ったり演奏したりしたことがありますか? 実際に演奏され ている方はご存じだと思いますが、演奏したことのない方のために簡単に説明し ます。  ハイハットは、2枚のシンバル(お皿のようなかたちをしています)からでき ており、下の方にあるペダルを足で踏むと、上のシンバルが下にあるシンバルと くっつきます。この状態で上のシンバルをドラムのスティックでたたくと「ち」 と言うような音がします。連続してたたくと 「ちちちちちちちち」 となります ね。 つまりこれが2枚のシンバルが閉じた状態、 要するに「クローズハイハッ ト」なわけです。  一方ペダルを話すと、上のシンバルが上に上がり、下のシンバルと離れた状態 になります。この状態で上のシンバルをたたくと「ちーちー」とか「しゃんしゃ ん」というような音になります。これが「オープンハイハット」です。  ちなみに、オープンハイハットの状態で音を鳴らし、音が鳴っているさいちゅ うにペダルを踏むと音がなりやみます。ペダルを踏んだときの音が「ペダルハイ ハット」です。  MIDI音源でもこのドラムの仕組みが再現されていて、オープンハイハットで音 を鳴らした状態で、ペダルハイハットやクローズハイハットの音を鳴らすと、オ ープンハイハットの音が鳴りやみ、ペダルハイハットやクローズハイハットの音 が鳴るようになっています。MIDI音源でのこのような仕組みを「オルタネートア サイン(エクスクルーシブアサイン)」と言います。  ここではクローズハイハットを使用して 「ちっちっちっちっちっちっちっち っ」と8分音符で入力します。  クローズハイハットのノートナンバーは、上記GM規格におけるパーカッション マップ表によると  F#2 42 Closed Hi_hat となっています。つまりレコンポーザでは、NOTEにF#2、 もしくはK#に42と入れ ればクローズハイハットの音が鳴ります。  では打ち込みましょう。まず10トラック目を開き、ノーマルパートエディッ ト画面にしてください。さきほど説明しましたので分かりますね。  なにもデータが入っていない状態では、1小節目の1ステップ目、NOTEのエデ ィット位置にカーソルがあるはずです。  ここで[F+2]と入力します。説明していなかったかもしれませんが、 シャープ は[+]、 フラットは[-]を入力すると入ります。 もしくは[42]と入力してもOKで す。そして[右矢印]キーを押します。NOTEにF#2、K#に42が入り、 STのエディッ ト位置にカーソルが来ます。  ではSTを入れます。8分音符で「ちっちっちっちっ」としますので、8分音符 のステップタイムは分かりますか?240です。ここで[240]と入力します。そして 「右矢印]キーを押します。STに240が入り、GTの位置に移動します。  つぎにGT(ゲートタイム)を入れるわけですが、ゲートタイムとは鍵盤を押し ている長さに相当しましたね。しかしリズムパートでは鍵盤を長く押しても短く 押してもかわりはありません。一部SFX(効果音) などでゲートタイムに関係あ るものもあるのですが、通常は関係ありません。  ですからゲートタイムの数値は何でも良いわけです。ただし何でも良いとはい っても、ゲートタイムが0では休符になってしまいますので音が鳴りません。 ま たSTより大きな値を入れると、つぎの音と対になってしまいますので、つぎの音 が鳴らなくなってしまいます。  以上のことからまとめると 「リズムパートにおけるゲートタイムの数値は0も しくはST以下の数値であれば何でもかまわない」ことになります。  ではGTを入力します。通常れこんぽーざのリズムエディット画面で入力した場 合、GTは10になっていますので、ここでも10として入れることにします。それで は「10」と入力してください。つぎに[右矢印]キーを押します。GTに10が入力 され、カーソルはVELのエディット位置に移動します。  ではVELを入れます。これはノーマルパートと同様、音の強さになります。 つ まりドラムをどのぐらいの強さでたたいたかを表します。 ここでは適当に[100] と入れます。そして右矢印キーを押します。VELに100が入力され、カーソルはつ ぎの行、つまり1小節目の2ステップ目、NOTEのエディット位置に移動します。  以上で最初の「ちっ」の音が入りました!!このように8回入力しても良いの ですが、8回も入れるのはめんどうです。レコンポーザでは、なにも入力せずに つぎの項目に進むと、まえのデータがそのまま入力されるという仕組みになって います。  ですからこのまま進めます。[リターン]キーを7回押して、1小節目の9ステ ップ目に進めてください。  はい終わりです!!これで「ちっちっちっちっちっちっちっちっ」とハイハッ トが8回入力されました!!  一応これで1小節分入りましたので、ここで小節線を入れておきましょうか。 [*]キーを押してください。カーソルは2小節目の1ステップ目に移動します。  今まで説明したように入力すると、以下のようなデータになります。 [上矢印 キー]でカーソルを戻して確認してみてください。 ------------------------------------------------------------------------ MEAS STEP:NOTE K# ST GT VEL 1 1:F#2 42 240 10 100 1 2:F#2 42 240 10 100 1 3:F#2 42 240 10 100 1 4:F#2 42 240 10 100 1 5:F#2 42 240 10 100 1 6:F#2 42 240 10 100 1 7:F#2 42 240 10 100 1 8:F#2 42 240 10 100 1 9:------ 1920 -------- ------------------------------------------------------------------------  ここまでできましたら、つぎにスネアードラムを入れてみましょう。スネアー ドラムは小太鼓(という表現が正しいかどうか分かりませんが)のようなもので す。  2拍目と4拍目に「たん」というような音を入れます。  上記のハイハットのデータで2拍と4拍目がどこにあたるか考えてみます。8 分音符で「ちっちっちっちっちっちっちっちっ」と入れました。ということは、 1・3・5・7回目の「ちっ」がそれぞれ1・2・3・4拍目となります。です から3回目の「ちっ」が2拍目に、7回目の「ちっ」が4拍目に当たります。よ く分からない方はデータを再生しながら、それに合わせて手拍子など打ったりし てリズムを取って確かめてみましょう。  ですから、3ステップ目と7ステップ目にスネアードラムを重ねるわけです。  GM規格におけるパーカッションマップ表には、スネアードラム1と2の二つの スネアードラムが入っています。これは単に音が違うと言うだけです。ここでは スネアードラム1を使用します。  D2 38 Snare 1 これです。(スネアー1)  まずはやってみます。[上下矢印]キーを使用して、1小節目の3ステップ目に 移動します。具体的には 1 3:F#2 42 240 10 100 と記述してある行です。  もしくはエディット画面で[esc]キーを押します。 すると移動先の小節を聞い てきますので[1]と入力して[リターン]キーを押します。 つぎに移動先のステッ プを聞いてきますので[3]と入力して[リターン]キーを押します。 これでも1小 節目の3ステップ目に移動できます。  ではスネアードラムを重ねましょう。ここでは「ステップの挿入機能」を使用 します。  エディット画面で[INSERT(挿入)]キー、 もしくはアルファベットの[I]キー を押すと、カーソルのある位置に新しくステップが挿入できます。  では[INSERT]キー、もしくは[I]キーを押してください。  これで1ステップ挿入され、1小節目の3ステップ目、NOTEのエディット位置 にカーソルが移動しました。  ではここでスネアードラムのノート[D2]と入れます。もしくはノートナンバー [38]と入れてもOKです。入力が終わりましたら[右矢印キー]を押します。NOTEに D2、K#には38が入力され、カーソルはSTのエディット位置になります。  ではSTを入力します。ここでのSTは「0」になります。 なぜかというとハイハ ットと同時に音が出るからです。つまりスネアードラムとハイハットの和音と言 うことになります。 ですからここでは[0]と入力して[右矢印]キーを押します。 STは空白(つまり0)になり、カーソルはGTのエディット位置になります。  つぎはGTのエディットです。 ここはハイハットのときと同じで10にします。 [10]と入力して[右矢印]キーを押します。 GTに10が入り、カーソルはVELのエデ ィット位置になります。  最後にVELの入力します。ここでも100にします。 [100]と入力して[右矢印]キ ーを押します。VELに100が入力され、カーソルは次行に移動します。  さてこれで2拍目のスネアードラムの入力は終わりましたが、レコンポーザの 画面はまだ挿入モードになっています。ここでまた何かデータを入れると、新た にステップが追加されてしまいます。ですから挿入モードから抜ける必要があり ます。挿入モードから抜けるには[ESC]キーを押します。  以上、上記と同じようにして、4拍目のスネアードラムも入力してみてくださ い。4拍目のスネアードラムは、7回目のハイハットに重ねます。7ステップ目 にカーソルを移動して、上記と同じ操作をします。  これでハイハットとスネアードラムの入力は終わりです。データは以下のよう な感じになっているはずです。確認してみてください。 ------------------------------------------------------------------------ MEAS STEP:NOTE K# ST GT VEL 1 1:F#2 42 240 10 100 1 2:F#2 42 240 10 100 1 3:D2 38 10 100 1 3:F#2 42 240 10 100 1 4:F#2 42 240 10 100 1 5:F#2 42 240 10 100 1 6:F#2 42 240 10 100 1 7:D2 38 10 100 1 7:F#2 42 240 10 100 1 8:F#2 42 240 10 100 1 9:------ 1920 -------- ------------------------------------------------------------------------  では最後にバスドラムを入れます。バスドラムの音は  B1 35 Acostic Bass Drum  C2 36 Bass Drum 1 があります。この二つは音が違います。ここでは  C2 36 Bass Drum 1 を使用することにします。  バスドラムの入れるタイミングですが 「どん・どどん」 という感じで入れま す。 具体的には1拍目の頭、 2拍目の裏(つまり2拍目と3拍目のちょうど中 間)、そして3拍目の頭に入れます。さきほど入れたハイハットで考えると、1 回目、4回目、5回目のハイハットと同時になることになります。ですから1ス テップ目、4ステップ目、5ステップ目のハイハットに重ねて入力すればいいこ とになります。  では入力します。基本的に今まで説明した手順とさほどかわりはありません。  まず1小節目の1ステップ目にカーソルを遭わせてください。つぎに[INSERT] キー、もしくは[I]キーを押してステップを挿入します。  ここでバスドラムの[C2]を入力します。もしくはノートナンバー[36]を入力し てもかまいません。入力しましたら[右矢印]キーを押します。NOTEにC2、K#に36 が入力され、STのエディット位置にカーソルが来ます。  つぎにST値を入力します。ハイハットと同時ですので0になります。 ですから [0]と入力して[右矢印]キーを押します。STに0が入り(空白になります)、GTの エディット位置になります。  つぎにGTを入れます。 例によってGTは10にします。 ですから[10]と入力して [右矢印]キーを押します。GTに10が入り、VELのエディット位置になります。  最後にVELを入力します。とりあえずまた100にしましょう。 [100]と入力して [右矢印]キーを押します。VELに100が入り、カーソルはつぎのステップのNOTEの エディット位置になります。  これで1拍目のバスドラムの入力は終わりです。 挿入モードを解除するため [ESC]キーを押してください。  上記を参考に、4ステップ目、5ステップ目のハイハットにもバスドラムを重 ねてください。  おめでとうございます!!これで8ビートの1小節の入力はおしまいです。デ ータは以下のようになっていると思います。確認してみてください。 ------------------------------------------------------------------------ MEAS STEP:NOTE K# ST GT VEL 1 1:C2 36 10 100 1 1:F#2 42 240 10 100 1 2:F#2 42 240 10 100 1 3:D2 38 10 100 1 3:F#2 42 240 10 100 1 4:C2 36 10 100 1 4:F#2 42 240 10 100 1 5:C2 36 10 100 1 5:F#2 42 240 10 100 1 6:F#2 42 240 10 100 1 7:D2 38 10 100 1 7:F#2 42 240 10 100 1 8:F#2 42 240 10 100 1 9:------ 1920 -------- ------------------------------------------------------------------------  実際にデータを再生して、8ビートのリズムが聞こえるか確かめてみてくださ い。  これもまだ説明していませんでしたが、データの再生はエディット画面からも できます。以下のキー操作が可能です。  P:カーソルのある小節から曲の終わりまで、全トラックを再生。  J:カーソルのある小節から曲の最後まで、現在開いているトラックのパートの み再生。  M:現在開いているトラックの、現在カーソルのある小節を再生。  上記のコマンドを利用すると、データがどうなっているのかをエディット画面 のまま音でも確認できるので便利です。  さてこのようにしてどんどん入力していけばいいわけです。  ところで、ドラムは同じフレーズ(パターン)の繰り返しが多くあります。同 じものを何回も入力するのは手間がかかりめんどうですね。  そこで同じフレーズの入力を省略する方法を紹介します。ここではコピーをし てみましょう。さきほど1小節目に入力したデータを2〜4小節目にコピーして みましょう。  まず2小節目の1ステップ目にカーソルを合わせます。 ここで[R]キーを押 し、コピーを選択します。  するとコピーもとのトラックを聞いてきます。このコマンドでは、別のトラッ クのデータをコピーすることも可能です。ここでは現在の10トラック目をコピ ーしますので、このまま[リターン]キーを押します。このようになにも入力せず にリターンキーを押すと、現在開いているトラックが指定されます。  つぎに 「TOP」 と聞いてきます。 これはコピーもとの最初の小節を指定しま す。つまり何小節目から何小節目までコピーするかの「何小節目から」を聞いて きています。 ここでは1小節目から1小節目 (つまり1小節目だけ)ですので [1]と入力して[リターンキー]を押します。  つぎに「END」と聞いてきます。これはコピーもとの最後の小節、 何小節目ま でコピーするのかを聞いてきています。 ここで[1]と入力して[リターン]キーを 押します。  つぎに「TIMES」と聞いてきています。 これは何回コピーするのかということ です。ここでは1小節目のデータを2小節目〜4小節目にコピーしますので「3 回」 ということになります。 ですから[3]と入力して[リターンキー]を押しま す。  最後に「BIAS」と聞いてきます。これはノーマルパートの場合、曲の調を変え てコピーするもので、ドラムパートでは指定する意味がありませんので、このま ま[リターン]キーを押します。  以上で作業は終了です。1小節目の8ビートのリズムが、2〜4小節目にコピ ーされ、合計4小節の8ビートのリズムができあがりました。  今回は8ビートのドラムの打ち込みを例に、リズムパートの入力をしてみまし た。上記を参考に、いろいろなリズムパターンの入力にチャレンジしてみてくだ さい。  また今回は練習と言うことで、ベロシティ(VEL) の部分は一定にして打ち込 みましたが、通常人間がドラムをたたく場合、一定の強さでたたき続けるという ことはありません。だからといってランダムに強くしたり弱くしたりすると、か えって不自然になってしまいます。  リズムにもよりますが、今回打ち込んだ8ビートのリズムのような場合、表の 拍は強く、裏拍は弱く打ち込むと良いのではないかと思います。例えばこの8ビ ートのリズムをならしながら 「1・2・3・4」 と手拍子を打ってみてくださ い。ここで手拍子を打ったところが表の拍になります。ですからこの部分のベロ シティを大きめに、そしてそうでない部分のベロシティはやや小さめに打つと、 リズムにめりはりが出ると思われます。  あとは、みなさんが普段聞いておられる曲のなかで、実際のドラムがどのよう にしてたたかれているのか、じっくり聞いてみましょう。また曲に合わせて机や 膝などをたたいてリズムを取ってみると、どの部分を強く、または弱くすればい いのかが次第につかめてくると思います。  また普段聞いておられる曲のなかにはドラムだけではなくいろいろな楽器が鳴 っていると思いますが、どのような楽器が使われているのか、またその楽器がど のように演奏されているのかといったことにも注意しながら聞いてみるというの も、勉強の一つになると思います。  好きな曲でかまいませんので、ただ曲を何となく聞くのではなく(それはそれ で楽しくて良いのですが)、たまにはそういったことにも注意して聞いてみてく ださい。 ======================================================================== E-MAIL:kojiro.kuyo@nifty.com http://member.nifty.ne.jp/KUYO/ ========================================================================