始めようDTM 第11回 MIDIデータを作ってみよう(2) 九曜 弘次郎  前回はレコンポーザのインストールと各種設定、主な機能について説明しまし た。今回からはいよいよデータの入力方法について解説していきます。それでは 始めましょう。 ■ MIDI機器からのリアルタイムレコーディング ■  今回はパソコンにMIDIキーボードなどを接続して、演奏したものを直接録音す る「リアルタイムレコーディング」のやり方を説明します。MIDI対応の鍵盤を持 っている方であれば、それを接続することで演奏したものを直接取り込むことが できます。またギターが弾ける方であれば、MIDIギター(ギターシンセという場 合もあります)を買ってきて接続することで、同じくギターでの演奏を取り込む ことができます。また吹奏楽が得意な方であれば、ウインドシンセというものを 購入することで演奏を取り込むこともできます。他にも打楽器系のものなどもあ るようです。  このようにMIDI入力装置にはいろいろなものがありますので、楽器店などに行 っていろいろ調べてみられると良いかと思います。本コーナーでも機会があれば もう少し詳しく書いてみたいと思います。  話しは少し脱線しましたが、MIDIではキーボードがもっとも一般的ですので、 ここではキーボードを例に説明します。  さてレコンポーザを起動し「MAIN COMMAND」の状態にしてください。  まずはMIDI入力デバイスが正しく設定されているか確認します。 [上下左右矢 印]キーを数回(3.0の場合は[下矢印]キーを3回、[右矢印]キーを1回)押して 「REC INPUT」にします。ここでMIDIキーボードが接続されているインターフェ ースを確認します。例えばSuper MPUを装着していて、それのAポートに繋げてあ る場合は「S-A」を指定します。MIDI音源を標準のRS232Cに接続していて、 音源 のMIDI IN端子にキーボードを接続している場合は 「RS1」 を指定します。 [ROLLUP]/[ROLLDOWN]キーで設定を切り換えます。 なお2.5G以降のレコンポーザ では 「INT」というのが設定できます。これはパソコンのキーボードをMIDI鍵盤 に見立てて演奏できるモードです。  設定が終わりましたら[ESC]キーを押して 「MAIN COMMAND」 に戻ってくださ い。  それではレコーディング画面に移動してみます。ここからリアルタイムレコー ディングの画面に移るには[F1]キーを押します。するとレコーディングに必用な 設定画面が現れます。  まずは[上下矢印]キーを使って、設定を行うトラックを指定します。トラック というのはデータを入れておく箱のようなものです。 レコンポーザ2.5ではこの トラックが18個用意されています。2.5F/Gでは18個のものと36個のものが あります。 3.0では36個になっています。以下18トラック、36トラックの ように表現します。  例えば1トラックを選ぶとします。通常「MAIN COMMAND」で[F1]キーを押した ときは1トラック目にカーソルがあります。  1トラック目にカーソルを遭わせたら、ここで[ROLLDOWN]キーをなんかいか押 してみてください。すると「REC」「MIX」「MUTE」「PLAY」…と移動できると思 います。[ROLLDOWN]キーでで逆移動できます。  レコーディングを行う場合は「REC」もしくは「MIX」にします。「REC」 は、 そのトラックに元々データが入っていた場合、それを消して新しいものを録音し ます。 「MIX」は、元々データがあった場合、もとのデータは消えずに録音した データがミックスされます。  通常新規に録音する場合RECにしますので、ここでは「REC」にします。  さてつぎに、ファンクションキーのなかでいくつか設定を行っておいたほうが いいところを説明します。  まずは曲のテンポの設定です。 [F2]キーを押すとテンポの設定画面になりま す。デフォルトでは120になっているはずです。[ROLLUP]キーを押すと数字が 大きくなりテンポが速く、[ROLLDOWN]キーでテンポが遅くなります。またキーボ ードから直接テンポの設定値を入力することも可能です。設定可能な範囲は10 〜300です。設定が終わりましたら[リターン]キーで確定します。レコーディ ング設定画面に戻ります。  つぎに曲の拍子を設定します。[F3]キーを押します。拍子とはいわゆる4分の 4拍子とか4分の3拍子とかいうやつです。デフォルトでは4ヤ4(4分の4) 拍 子になっています。 曲に合わせて設定してください。[ROLLUP]/[ROLLDOWN]キー で値が変化します。設定が終わりましたら[リターンキー]を押します。  続けてMIDIキーボードとパソコンが離れたいちにある方は[F6]キーを押してみ てください。デフォルトでは「----」となっていますが、ここで[ROLLDOWN]キー を押してみてください。「KEY ON」に変わったと思います。これは通常パソコン 上でレコーディングスタートの操作をするとすぐにレコーディングが開始される のですが「KEY ON」にしておくと、パソコンでレコーディングスタートにしても すぐにはレコーディングが開始されず待機状態になります。ここでMIDIキーボー ドで演奏を開始すると同時にレコーディングが開始されるというモードです。な お[LOLLDOWN]キーでこのモードを解除できます。設定しましたら[リターン]キー を押してください。  つぎに[F7]キーを押してみてください。ここはメトロノームをならすかならさ ない化の設定を行う部分です。[ROLLUP]キーを押すと「ON」になりメトロノーム がなります。 [ROLLDOWN]キーを押すと 「OFF」 になりメトロノームはなりませ ん。 デフォルトでは「OFF」になっています。なおこのメトロノームはさきほど [F2]キーで設定したテンポ及び[F3]キーで設定した拍子でなります。設定が終わ りましたら[リターン]キーを押してください。  さて以上で基本的な設定は終わりです。  それではいよいよ実際に録音してみましょう。  録音の開始は[F10]キーを押します。これで録音が開始され、 メトロノームを ONにされた方は、 パソコンのビープ音から 「ぴっこっこっこっぴっこっこっこ っ」などと音が聞こえてくるはずです。あとは接続されたMIDI機器を使って演奏 してください。  さて、うまく演奏できましたでしょうか?演奏が終わりましたら録音を止めま しょう。録音を止めるには[ESC]キーを1回押します。  と…、ここで安心しないでください。この状態ではパソコンのメモリ上に演奏 した情報は取り込まれているのですが、まだレコンポーザの数値データにはなっ ていません。 ここで安心してもう1ど[ESC]キーなど押したりなんぞしますと、 演奏したデータが消えてしまい、せっかくの演奏が水の泡となって消えてしまい ます。  そうならないために、ここでレコンポーザの数値データにコンバートする必用 があります。というと難しそうですがそんなことはありません。 [F10]キーを押 すだけです。 すると画面には 「Coverting」 と表示され、 すぐに 「MAIN COMMAND」に戻ります。なお演奏データが長かったりすると、 このコンバート作 業に若干時間がかかることもあります。  それではちゃんと演奏したものが取り込まれているか確認してみましょう。現 在「MAIN COMMAND」になっていますので、再生は[F2]キーに割り当てられていま す。では[F2]キーを押してみてください。  どうですか?演奏したデータはちゃんと入っていましたでしょうか?  少し話しが複雑になってきましたので、今までのレコーディング手順をまとめ てみたいと思います。 ------------------------------------------------------------------------  「MAIN COMMAND」から[F1]キーを押すとレコーディング画面になる。  ここで[上下矢印キー]を使ってレコーディングをしたいトラックにカーソルを 合わせ[ROLLUP]/[ROLLDOWN]キーで表示を「REC」にする。  さらにファンクションキーを使ってレコーディングの各種設定を行う。設定の 仕方は該当するファンクションキーを押し[ROLLUP]/ROLLDOWN]キーで値を選び、 [リターン]キーで確定、[ESC]キーで取り消し。  レコーディングを開始するときは[F10]キーを押す。あとは演奏する。  演奏が終わったら[ESC]キーで止める。続けて[F10]キーを押して演奏データを 数値に変換する。すると「MAIN COMMAND」に戻る。 ------------------------------------------------------------------------  以上で基本的なリアルタイムレコーディングの説明は終わりです。さきほどは 1トラック目に入力しましたが、続いて別のパートを入力したい場合はレコーデ ィング画面で2トラック目を「REC」にすることで行えます。 なおこのとき1ト ラック目がRECになっていますとさきほどの演奏が消えてしまいますので、 1ト ラック目を「PLAY」などに変更しておいてください。1トラック目を「PLAY」に しますと、2トラック目のレコーディング中、1トラックに録音した音が一緒に 再生され、 1トラック目の演奏を聞きながらレコーディングすることができま す。「MUTE」にしますと、1トラック目の演奏はなりません。「他のパートがな っていると釣られて演奏しにくい!!」と言う方はこちらを選択してください。 なお演奏がならないだけでデータ自体は消えていませんのでご安心ください。  他に便利な機能としては、特定の小節だけをレコーディングし直す方法なども あります。レコーディング画面から[F1]キーを押します。レコーディングをし直 す最初の小節を聞いてきますので数字で入力して[リターン]キーを押します。つ ぎにレコーディングをし直す最後の小節を聞いてきますので数字で入力して[リ ターン]キーを押します。 つぎに演奏を開始する小節を聞いてきますので数字で 入力して[リターン]キーを押します。 するとレコーディング画面に戻ってきま す。 あとはさきほどと同じように[F10]キーを押してレコーディングを開始して いただければ、その部分だけレコーディングし直すことができます。  リアルタイムレコーディングについては以上です。他に演奏のずれを補正する 「クオンタイズ」という機能があるのですが、この機能はレコンポーザのエディ ット画面にあるため、この機能を使うには少しステップ入力に関する知識が必用 ですので、そちらで説明をすることにしたいと思います。  ではせっかく演奏を録音しましたので、 これをファイルに保存してみましょ う。  まず「MAIN COMMAND」になっていることを確認してください。なっていない方 はなんどか[ESC]キーを押すことで「MAIN COMMAND」にすることができます。  この状態からファイルの保存は[F7]キーですので[F7]キーを押します。すると 保存するディスクのドライブ名を聞いてきます。 Aドライブに保存するのであれ ば[A]と入力します。 すると保存するファイル名を聞いてきますので入力しま す。例えば[REALTEST]のようにです。拡張子は自動的に付けられます。これはバ ージョンによってファイル形式が異なります。 レコンポーザ3.0の場合は.G36と なります。2.5Gでは、18トラック版を使用されている方は.G18、36トラック 版を使用されている方は.G36となります。 2.5Fでは、 18トラック版が.RCP、 36トラック版が.R36となります。 それよりまえのレコンポーザ2.xでは.RCPと なります。  ファイル名の入力が終わりましたら[リターン]キーを押します。もし既に保存 しようとしたファイルと同名のファイルがディスク上に存在している場合は上書 きしていいかどうか聞いてきますので、上書きする場合は[Y]、しないなら[n]キ ーを押してください。 [N]キーを押した場合はもう1ど保存の操作をやり直して ください。  ファイルの保存が終わると「MAIN COMMAND」に戻ってきます。  というわけで、今回はこれで終わりにしたいと思います。  次回は楽器の演奏ができなくても音符データを入力することでデータの入力が できる「ステップライト」について解説する予定です。 ======================================================================== E-MAIL:kojiro.kuyo@nifty.ne.jp http://member.nifty.ne.jp/KUYO/ ========================================================================